Addiction Report (アディクションレポート)

依存症に苦しんだハリウッド女優が抱えた数々の苦悩

テレビドラマ「HEROES/ヒーローズ」などに出演したハリウッド女優、ヘイデン・パネッティーアが36歳で亡くなりました。薬物の過剰摂取が疑われていますが、これまでもアルコールやドラッグ、弟の死など苦悩に満ちた人生を送ってきました。

依存症に苦しんだハリウッド女優が抱えた数々の苦悩
ヘイデン・パネッティーアのInstagramより

公開日:2026/08/19 02:03

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テレビドラマ「HEROES/ヒーローズ」(2006-2010)や映画「タイタンズを忘れない」(2000)などに出演したハリウッド女優ヘイデン・パネッティーアが亡くなった。今月21日に37歳の誕生日を迎えるはずだった。

現地時間8月16日、サウスカロライナ州グリーンヴィルのアパートに救急車が呼ばれ、救命措置が施されるも、40分後、その場で息を引き取ったという。その前日、パネッティーアは、昔の恋人ブライアン・ヒッカーソンと一緒に、ロサンゼルスからサウスカロライナに向かう飛行機に乗ったことがわかっている。サウスカロライナ州は、ヒッカーソンの地元。宿泊していたのはAirbnb(民泊)だった。救急車を呼んだ人物は「知人」とだけされており、ヒッカーソンだったのかどうかははっきりしない。

解剖の結果が発表されるまでにはまだ時間を要するが、オーバードーズ(過剰摂取)が疑われている。救急の通話の中にその言葉があり、パネッティーアが倒れていたアパートの部屋ではオピオイドの過剰摂取の救命措置として使われる薬ナルキソンが発見されているのだ。ただし、救急車が来る前に彼女がこれを使用したのかどうかは不明。

アルコールやドラッグ、産後うつに苦しんだ過去

パネッティーアはアルコールやオピオイド(処方の鎮痛薬)の依存症、また産後うつに苦しんだことについて、公に語ってきた。今年5月に出版された回顧録「This is Me: A Reckoning」や、発売前のプロモーション活動中でも、暗い過去を振り返っている。

女優の母を持ち、生後11ヶ月でコマーシャルに出演した彼女が初めてドラッグを体験したのは、15歳の時。レッドカーペットを歩く前、良い気分でインタビューを受けられるからと、誰かが錠剤をくれたのだ。それが依存症の入り口になると、その頃の彼女は思いもしなかった。

酒とオピオイドを使用する上で意識していたのは、仕事に影響を与えないこと。しかし、そのうち「これらなしで生きられなくなった」と、パネッティーアは2022年、「People」に語っている。当時の婚約者ウラジミール・クリチコとの子どもを妊娠してからは酒をやめたが、出産するとひどい産後うつに悩まされ、また酒に頼るようになった。

仕事にも私生活にも及んだ悪影響

それは仕事にも、私生活にも悪影響を及ぼした。出演するドラマ「ナッシュビル」(2012-2018)の現場に遅れてきたり、不健康な顔で現れてメイクに時間がかかったりすることが業界に広まり、2018年にドラマが終了すると次の仕事がなかなか入らず、ニュートロジーナの広告出演契約も打ち切られた。実際、彼女のフィルモグラフィーを見ると、「ナッシュビル」の後は2022年の映画「スクリーム6」まで、何もない。

さらに悲劇的なことに、ひとり娘の親権を諦めると決めたのである。愛する娘が、今後、クリチコと一緒にアメリカから遠く離れたウクライナで生活することに同意したのだ。当時について、彼女は、「彼は私のそばにいたくなかった。私自身も、私が嫌だった。私は酒とオピオイドで自己破滅のまっただなかにいた」「(親権を諦めるのは)人生で最も辛かった出来事。だけど私は良い母親でいたかった。距離を置くのがそのために一番良いということも、時にはある」と語っている。

飲酒はその後悪化し、ついに肝臓を悪くして入院するまでに。そうしてようやく彼女は本気で治療すると決め、8ヶ月間、回復施設に入所する。「People」のインタビューで、彼女は、毎日1歩ずつ生きていること、健康を取り戻せたありがたみを忘れないことなど、新たな人生を生きている気持ちを述べていた。

 恋人のDVや弟の死、腰の痛み

しかし、その後にも、彼女はいくつかの苦悩に直面するのだ。

ひとつは、クリチコと別れてから交際を始めた不動産デベロッパーのヒッカーソンによるDV。彼は逮捕され、パネッティーアは彼に対する接近禁止命令を申請。しかし、彼が刑務所から出てきてしばらくすると、ふたりは再び連絡を取り合うようになるのである。

2023年には、弟で俳優のジャンセン・パネッティーアが、28歳の若さで亡くなった。弟もまたドラッグの依存症を抱えていたのだが、死因はオーバードーズではなく、心臓の肥大と大動脈弁の合併症。幼い頃から仲が良かった弟を突然にして失ったことは、彼女にとてつもなく大きな悲しみを与えた。一方で、母親との関係は複雑で、これもまた彼女の心に重くのしかかってきた。子役時代、ステージママだった母にはトラウマを与えられ続け、絶縁状態にある。19歳で母をマネージャーから解雇すると伝えた時には、つばを吐きかけられたという。

彼女はまた、腰の痛みに苦しめられてもいた。映画「レーシング・ストライプス」(2004)を南アフリカで撮影中、シマウマから落ちたことに起因するようだ。事故当時は下半身の感覚がなくなり、「このまま半身不随になるのか」と大きな不安に襲われた。それから相当な年月が経つが、深刻な後遺症があったのだろうか。今年前半、彼女は、パリス・ヒルトンの自宅で開かれたパーティに杖をついて現れ、座るのにも苦労をしていたとの目撃証言がある。

 若すぎる死がもたらした衝撃

若すぎる彼女の突然の死は、ハリウッドの内外に大きなショックを与えている。

ヘイデン・パネッティーアのInstagramより

父スキップ・パネッティーアは、「愛するヘイデンを失い、深い悲しみに暮れています。彼女は明るさと強さに満ちた人。彼女を知る人、スクリーンを通して彼女を見る人たちに、愛と喜びを与えてくれました」と、「People」に対して声明を発表した。3年という短い間に息子と娘を失った絶望は、想像もつかない。また、ソーシャルメディアには、ヴィオラ・デイヴィス、コニー・ブリトン、エマ・ロバーツ、メリッサ・バレラ、セルマ・ブレアなど、彼女と仕事をした俳優たちから追悼のメッセージを寄せられている。彼女の母は、今のところ何も発言していない。

ご冥福をお祈りします。

 

コメント

1時間前
匿名

今もこうして世界では依存症で亡くなる人が後を経たない。もっと依存症という病気の知識や正しい対応が広まれば、彼女の回りの方が彼女を救ってあげることが出来たかもしれない。日本でも世界でも依存症に対する正しい情報や回復への支援が当たり前になることを願うばかりだ。私達もまだまだ依存症に関する広報活動を頑張っていかなければいけないと感じる。

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