Addiction Report (アディクションレポート)

ついに覚醒!「12ステップを全国に広めよう!」猪突猛進で「ギャンブル依存症問題を考える会」を創設するまで ギャンマネ(46)

依存が止まらない4年間の停滞期をくぐり抜け、12ステッププログラムとの出会いで覚醒した私。全国にこのプログラムを広める活動に邁進し、回復施設にも就職。そして、ついに独立し、仲間と共にギャンブル依存症問題を考える会を設立します。

ついに覚醒!「12ステップを全国に広めよう!」猪突猛進で「ギャンブル依存症問題を考える会」を創設するまで ギャンマネ(46)
独立報告会で仲間たちに語りかける私

公開日:2026/09/06 01:37

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連載名

ギャンマネ

「やめられない」と依存し続けながらも、仲間とつながり続けて

4年間も真面目に自助グループに通い、サービス活動もバリバリやっていたのに、ダダ滑り(依存が止まらないこと)だった私。

長い、自助グループ人生でもそんな人は他に見たことないんですよね。

たいていの人は、再発を繰り返したら「自助グループに行っても仕方がない」とあきらめて来なくなったり、再発を隠そうとして苦しくなったり、再発したことを正直に告げて、また一からやり直そうと努力したり、と大体こんな風なパターンになると思います。でも、私の場合は「止まらない!」と怒りまくり、泣きまくりながらミーティングに来てやめられないことを隠すどころか大威張りでした。「やめられる気がしない」といらいらと怒り続け、「今日からやめる」という決心すらせずに繋がっていたんです。

一体何をしに行っていたんだ?と、今なら思いますが、それでも通い続けたのは、自助グループという組織化されない特殊な集まりと、仲間が好きだったからとしか言いようがありません。

「諦めずにつながり続ける」これが本当に大事なことだなと自分を振り返って思います。

何よりもあのような反抗期の私に、諦めずに関わり続けてくれた仲間もすごい忍耐力です。今の私に、同じことができるか?と問われたら、「ちょっと、あの人面倒くさくて勘弁して」となりかねないなと、原稿を書きながら反省する次第です。

12ステップでついに覚醒「全国に広めよう!」

さて、このように4年間もの長いトンネルを抜けた2009年のこと、私は突然「12ステップ」で依存が止まり、覚醒しました。そして「こうしちゃいられん!」と、動き出すのです。

まずここで仕事を辞めてしまいました。折角借金がなくなったのに、無職?しかも、あんたんち夫の借金はまだ返済中だよね?はい、そうです。ツッコミは方々から聞こえてきそうですが、行動力だけは、今も昔も半端じゃない私。

「東京の1グループで、こんなことをしちゃいられん。全国に12ステップを広めに行脚しよう」と思いつくのです。まぁ、その伝え手になるというのが12ステップの12番目のプログラムでもあり、使命でもあります。

この頃、私の覚醒により自分のグループの仲間にはすでに12ステップが広まり、仲間達も皆やる気満々でした。「分かち合いだけでなく、12ステップグループなんだから、12ステッププログラムをしっかりやらなきゃ」。こんな考えと、プログラムをもっと伝えていきたい!という活気にあふれていました。

当時、そのような活気は私たちのグループだけでなく、アルコールや薬物の12ステップグループでも広まっていました。あの時の熱量、そして「真の回復とは、依存や共依存が止まることだけじゃない。生き方を変えていくことなんだ」と知った喜び、みんなのやる気と一体感、それは今思い出しても胸が熱くなります。

全国の自助グループを巡業し「12ステップ」を伝道

こうして私たちは土日を中心に、時々は平日も色んな地方に車で出かけ「12ステップやろうよ!」とメッセージ活動に出かけたのです。

この時ちょうど「高速道路どこまでいっても土日は1000円」という今では考えられない恵まれた時代でした。私は、自宅のミニバンに仲間を乗せ、あちこちの地方に行き、時には、朝は長野のミーティングに出て、夜は自分のホームグラウンドの東京のミーティングに出る、なんてこともしていました。

地方の仲間たちは、急に東京のメンバーがやってきたので驚いていましたが、同じ自助グループ同士なので、すぐに親しくなり、全国の仲間と顔見知りになっていきました。

自助グループの他に、12ステップの研究会のようなものにも所属していたので、アルコールや薬物の当事者や家族の仲間とも仲良くなっていきました。時には、アルコール・薬物・ギャンブルの当事者・家族が集まって合宿のようなこともやりました。

私は、無職になったにも関わらず、12ステップの伝え手となるスポンサー役として、なんとスポンシー(プログラムの受け手)を一番多い時は最大50人も持つという暴挙に出ていました。(普通は大体スポンシーは持てても2~3人です)

そのためめちゃくちゃ忙しくて、無職なのに暇が全くなくなりました。当時はまだZoomがありませんので、Skypeを通じて地方の仲間とプログラムをやっていましたが、1日に4~5人と分かち合いをこなしていきました。そのくらいこの12ステップは、評判が評判を呼び、爆発的に広まっていったのです。

この頃、自助グループと12ステッププログラムの本場というか発祥の地でもある、アメリカに研修に出かけたりもしていました。あの頃、まさか自分がその後支援者になるなどと思ってもおらず、またどこかに再就職しようと考えていたのに、なんで海外研修まで行ったのか?自分でも訳が分かりません。でも、良くも悪くもそれだけ熱中する猪突猛進が私の特徴なのだと思います。

回復施設にも就職、援助職デビュー

こうしてあっという間に1年が過ぎると、もらった退職金300万円と失業保険を使い果たしていました。なんと残高2万円。あれだけ借金で苦しみ「金さえあれば」と執着してきた人生だったのに、この時は「やれるだけやった」とむしろすがすがしい気持ちでした。毎日毎日、誰かのために時間と労力と金を使う。これこそ生きた金の使い方だったと、私は自分の金遣いに初めて満足できた気がしました。

そしてボランティアで関わってきた、薬物の回復施設に「もう金がなくなったので再就職します」と、連絡を入れると、なんとそこの施設が「うちで家族支援スタッフとして働かない?」と声をかけてくれたのです。

常々「援助職だけは絶対嫌。絶対向かない」と思っていたので、一瞬迷いましたが、「これも導きだろう。やってみっか!」と最初はバイトくらいの感覚で引き受けました。

回復施設のことは、当時の私は殆ど知らなかったのですが、やり出したらこれがまた面白くなってしまい、「ここの施設を日本一充実した施設にするんだ!」とばかりに熱中しだします。

そして、ギャンブルの回復施設を立ち上げようという話になっていきました。この時には、私は1年間の無職時代の地方巡業の旅のお陰で、本当に日本中の仲間が応援してくれたと思います。そしてその分、期待の重圧もひしひしと感じていて、武者震いするような気持でした。

その後、回復施設は順調に拡張していきましたが、私は次なる課題として当事者に介入するインタベンショニストとしての研修を受けにまたアメリカに渡ったりもしていました。そして、このインタベンショニストとして活動しだすと、またしても日本中の家族から依頼を受けることとなりました。

施設代表と決裂、仲間の後押しを受けて独立へ

こうして「日本一の施設にしたい!」と燃えに燃え、4年間それこそ全精力を注いでいくのですが、最後の1年間は施設の代表と方向性がかみ合わなくなってしまい、何度も話し合いをしましたが、結局決裂しました。私は人生を賭けたこの大仕事で、大きな挫折を味わうのです。

それこそ自分が介入し、スタッフとなった仲間達もそうですが、そこで築きあげたノウハウや人脈も全て置いて出ていく……それは、それは、勇気のいることで、なかなか決断できませんでした。

何よりも、この施設のために物心両面で応援してくれた仲間たちに申し訳ないという気持ちと、手伝ってもらうために施設に就職してもらった仲間たちの身の振り方を考えると暗澹たる気持ちになりました。

でも悩み続ける私の葛藤に、最後にドンと背中を押してくれたのも仲間でした。

「りこさん、私たちは大丈夫。心配しなくていい。りこさんならきっとここを出て独立してもやっていける。何よりも、ここにいて、りこさんらしさを失っていくりこさんを、私たちはもう応援できない。このまま留まるなら、もう私たちは一緒にやれないよ」と、はっきり伝えてくれたのです。これで目が覚めました。

「そうか私、施設スタッフとしての役割は終わったんだ。

導かれている方向に従え。仲間の声を聞け!」

こうして2014年に旗揚げした、ギャンブル依存症問題を考える会に全精力を傾けていくことになったのです。

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