Addiction Report (アディクションレポート)

自助グループでびっくりだらけ!ギャン妻たちとの初めての交流で、開いていった心の蓋 ギャンマネ(41)

初めて参加したギャンブル依存症家族の自助グループは驚くことばかり。でも思い切って飛び込んで、ギャン妻たちと語り合うと、固く閉ざされていた心の蓋が開いてくるのを感じました。

自助グループでびっくりだらけ!ギャン妻たちとの初めての交流で、開いていった心の蓋 ギャンマネ(41)
自助グループにつながって10年目の「バースデー」で。こんな私も、最初はもちろん何もわからない初心者でした。

公開日:2026/03/02 02:06

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ギャンマネ

日本では理解の薄い自助グループ

自助グループって日本ではほとんど知られていませんが、依存症の自助グループは欧米諸国では、常識として知られています。私は、一人勝手に「日本自助グループ広報隊長」を自認しておりますが、自助グループほど依存症の回復で役立つものはないと思っています。

だって金がかからないで、回復できるんですよ。医療費も使わないんですよ。こんな世の中に貢献できるものってないじゃないですか。回復者がこれから回復する人の支援を全部手掛けてくれるんです。だからこそ心の底から理解し合える、友情が芽生える。もっとピアサポートは評価されるべきだと思いますね。

最近は、若い子たちが留学するケースが多いですが、留学先でギャンブル依存症になって家賃滞納したら大家さんに「GAに行け!」と言われたという話もあるくらいです。

日本はちょっと権威主義が過ぎるというか、「医者が天皇で、我々当事者・家族が平民以下のダメな奴ら」みたいにみられがちなんですよね。依存症の医者の中にももちろんそういう鼻持ちならない人もいますが、依存症に関わってきた人たちの大部分は、医者もケースワーカーも、ナースも、自助グループメンバーもみんな横並びで回復を目指すという世界観を持っていると思っています。

そこをよく判っていない、政治家や官僚や役人が、法律や仕組みを作ろうとするから、なんかおかしなことになっていくという気がしますね。3年に一度の異動はしかたないとしても、だからこそ理解するための勉強は一生懸命やってほしいなと思います。

初めての自助グループはびっくりだらけ

さて、私が22年前に自助グループに行った時は、今以上に「自助グループ」なんて全く知られていない存在でした。

おっかなびっくり行ってみたら、そこはまるで英会話教室のようだったということを前回お話しましたが、私が行ったグループは、若い妻たちが多かったこともありますね。

それもそのはず、平日の夜にやってくる人達ですから若いOLさんが多いんです。しかも当時は、夜のミーティング場が都内にそこしかなく、多い時は30人くらい狭い部屋にぎっしりといった感じでした。

何よりも驚いたのはですよ、本名を名乗らず、アノニマスネームという変てこりんなあだ名みたいなもので呼び合っていることですね。

愛犬の名前とか好きな食べ物とかを呼び名にしている人も多かったですね。

で、ありながらですよ、この自助グループとやらが、もうすでに15年も続いていると知ったのには仰天しました。だってそれぞれ本名も知らず、「みかんさ~ん」とか「りんごさ~ん」とか呼び合いながらですよ、組織が15年続くってどうなってんの?って思うじゃないですか。

しかもその中にいた、リーダーっぽい風格のオーラがある人は、なんと15年間ずっと立ち上げ時から通い続けてるっていうんですよ。へっ?15年も何してんの?って思いました。

しかも分かち合いの内容は皆めっちゃヘビー。「夫の借金がこれだけあって」とか「息子がお金をせびってくるので」なんてことを分かち合い、その上誰もその話に突っ込みも入れず、黙って聞いて「はい、それではまた来週」ってな感じで、なんじゃこりゃ!?と思いましたよね。自助グループに始めて来られた方は、皆同じような感想を持つのではないでしょうか。

帰り道に「もうここには来ないかもしれん」という気持ちになりましたが、「6回は来てみてね」とオーラ妻から言われたので、「んじゃ、6回は行くか。他にあてもないしな」と思い次回も行くことにしました。

夫も同じ週の土曜日にGAに行き、同じような感想を持ったようでした。

オーラ妻の夫がGAにいたので、「15年来てる人がいた!」と我々夫婦は同じポイントで驚き、なぜかその時の私は、「じゃあ、あたしゃ20年行ってやるよ!」と負けず嫌い魂に炎を燃やしたりしました。我ながら、意味不明な闘志です。

2回目でいきなり、サービス活動に立候補

そして2回目に行った時でしたね。その時は、始まる前に会議のようなものがあって、またしても仰天したことにオーラ妻が、

「この自助グループは全国で立ち上がっているんですが、どこにできているのかはっきりとは分からないです。一度、他県の人達とも集まってみよう、どこの県にミーティング場ができているのか調べてみよう!という話がでているので、全国会議立ち上げ委員会ができました。

その委員会は、都内の土日にやっている別の2グループメンバーと一緒にやろうと思っています。このグループからも誰か一緒にこのサービス活動をやりませんか?サービス活動をすると回復しますよ」と言い出したのです。

はぁ?って思いますよね?自分たちのグループの名前を勝手に使ってる人たちがいて、しかもその人たちのことをこっちは把握もしていない。こんなことが普通許されるのでしょうか?

ちょっとちょっとあなた方「商標登録」って言葉知ってます?

みたいな気持ちになりました。

私は、夫のギャンブルの問題を何とかしようと思ってここに来たのですが、結果としてこの訳の分からないグループに「一体どうなってるの?」と強烈な興味をひかれ、成り立ちが知りたくて知りたくてたまらなくなりました。しかもこんなあやふやな話がなんとも危なっかしく思え「こりゃあ、いっちょ私が何とかしてやらなきゃ!」と共依存魂にも火が付きました。

まるでPTAの役員決めのように、しーんとした会場で沈黙を元気よく打ち破り「はい!私やります」と手をあげました。そりゃあもう、仲間たちは仰天してましたよ。「おいおい、お前は先週来たばかりだろ?」そんな心の叫びが、顔に書いてありました。

でも私は基本的に自分のことを「やればできる」と思っている人なので、お構いなしでしたね。

聞きたいこと、話したいことがいっぱい!

実際、会議に行った時には「すごくイキのいい人が入ってきたって聞いてるわよ」と他グループの方に言われました。

私は今になって思うんですけど、私が自助グループが好きなのは、「楽しいから一生懸命やる」ではなく、「一生懸命やったから楽しくなった」んですよね。どうせやるならなんでも楽しくなるまでやった方がいいですよね。

こんなイキの良い新人の私は、その日の帰りに「よかったら渋谷でお茶していきません?」と、ギャンブラーの若妻たちに誘われました。もちろん嬉しくて、喜んでついていきました。

なんせ「言いっぱなし、聞きっぱなし」という自助グループのルールを初めて体験しているので、「えぇ!そん時旦那はなんて言ったんすか?」とか「それで、黙って引き下がったんですか?なんで?言い返せばいいのに」と、心の突込みが止まんないわけですよ。

知りたいことがありすぎるし、ただでさえコミュニケーションお化けの私は、この「プライバシーに踏み込まない」という自助グループの加減がよくわかんなかったんですよね。むしろ私の場合「夫は、こういう人でこんな仕事してて、私たち闇カジノでバイトしてて、ギャンブルハマっちゃったんすよ」とか、全部話したい!し、「夫は自助グループに繋がったら、もう大丈夫なんすか?」「お小遣いは毎日1000円ずつ渡すのと、3万円まとめて渡すのとどっちがいいんですか?」「夫が繋がっていないのに、家族だけ来ても意味あるんですか?」なんて聞きたいことがいっぱいある。

そもそも「質問も突っ込みもNGで、タダ話して、タダ聞くだけで、これにどんな意味があるんですか?」ってことを、まず質問したいんですけど!と思っていました。

ギャン妻と語り合い、自分の「共依存の病」に気づく

お茶に誘ってくれた妻3人は、めっちゃ可愛くて上品で、夫さんは自助グループに繋がっている人もいない人もいましたが、この同じ境遇の妻たちとのおしゃべりで、初めて私は「必要とされたかった」という自分の共依存の病を自覚していきました。

「だってさ、山内一豊の妻って日本では美談じゃん。なんで夫のピンチに借金肩代りしちゃいけないの?当たり前のことだよね?馬はよくて金はダメなんかい!?」

と思っていたのですが、要は山内一豊と田中恵次とでは場面が全然違うわけですよね。ここぞという出世のチャンスに持参金を使うのと、ギャンブルの尻ぬぐいは、同じ肩代りでも意味が違う。前者は助け金になるけど、後者は捨て金。むしろ病気が進行し悪化させるだけと、百害あって一利なしなんですよね。

「でもさ、そうやって夫に恩を売ることで、私のことは見捨てないだろう。私を大事にしてくれるだろうって思ってたんだよね」なんて誰かの言葉に、

「ぎゃ~!私もそうなの!」と、自尊心がペッちゃんこになっているギャン妻たちと共感し合った夜。

心の固く閉ざされた蓋が、カチリと開いていきました。

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コメント

15時間前
ヨーコ

「でもさ、そうやって夫に恩を売ることで、私のことは見捨てないだろう。私を大事にしてくれるだろうって思ってたんだよね」

痛い。

まさに人間関係の病気ですね。

15時間前
真梨絵

「でもさ、そうやって夫に恩を売ることで、私のことは見捨てないだろう。私を大事にしてくれるだろうって思ってたんだよね」

>>この言葉にギャン妻の全てが詰まっている気がします!!!

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